同じグリコ・森永事件を題材にした「レディー・ジョーカー」も映画やテレビで観ましたが、私は「罪の声」の方がグッときましたね。
なんと言っても、これまでありそうでなかった「小栗旬・星野源共演」がいいっ!
俳優として存分にたっぷりと脂ののった2人の共演は、今回の罪の声に奥行きを醸しだし、注目度も200%アップさせたんじゃないでしょうか?
あと俳優さんでいえば、率直な意見として「宇野祥平さん」の存在感がスゴいなと。
これまで映画やドラマのサブのサブ的な出演が多く、バイプレイヤーな存在で「よく見るよなぁ」程度の認識でしたが、この罪の声に関しては「事件」の裏にある、ある意味被害者たりえる人たちの壮絶な人生を体現している役柄と宇野さんの怪演ともいえる演技・存在感が「罪の声」の内容をより重厚にしていました。
私としては、この「罪の声」を見る当たりましては、グリコ・森永事件を知ってる世代もそうでない世代も予備知識なしでみていただきたい。
注目の映画とはいえ、グリコ・森永事件やレディージョーカーをWiKiなどで調べたりせず、1つのサスペンス映画として楽しんでもらえるのが一番かと思います。
Contents
「罪の声」の総合評価&あらすじネタバレ・感想
久々に邦画で骨太の良作を見た感じです。個人的には86点の評価!
塩田武士原作の「罪の声」は小説、劇画も既読です。大阪にいた頃にこの小説の元ネタであるグリコ・森永事件があり、非常に関心がありましたからね。
バース、掛布、岡田の活躍で阪神タイガースが日本一になったり、東京から大阪に向かう日航機墜落事件があったり、この年は大阪・関西を中心にいろんな出来事があったと思います。
私の家族も、当時必死で情報を探し回っている警察の聞き込みも受けました。
子供心に「きっとすぐに捕まるだろう…」と思いましたね。なぜなら、子供の声のテープもあるし、タイプライターなどの物的証拠もあるし、複数の捜査員が尾行したキツネ顔の似顔絵もありましたし。
捕まるのは時間の問題だとは思われましたが、あれよあれよという間に時効になってしまいました。
みんな、はじめは面白がっていた面もありましたが、最後の方は警察の不甲斐なさを感じた事でしょう。特に大阪府警と滋賀県警の縄張り争いは警察という組織の難しさを感じました。
これ以降、警察への不信感、みたいな世論が持ち上がったような気がしましたね。
今、現在も警察より文春や新潮を始め、マスコミの方が情報を掴んでいるんじゃないか…といった感じです。プロファイリング操作やDNA捜査で日本の警察の捜査も飛躍的に向上してはきましたが。
作者の塩田武士氏は関西学院出身で神戸新聞就職という生粋の関西人でブンヤ出身の作家です。ストーリーは子供のころの脅迫テープの主、星野源演じるテーラー屋の曽根俊也がひょんなことからそのカセットテープを発見します。曽根俊也は、記憶のない幼い頃の出来事だったとはいえ、犯行の一部をほう助したことにより罪の意識に苛まれます。
物語では森永・グリコ事件がギンガ・萬堂事件に名称が変わり、犯人一味も「怪人21面相」から「くら魔天狗」に変わってますが、他はほぼ実際の事件と同じ設定です。あくまでフィクションであるが見る者に実際の事件を呼び起こすノンフィクション・テイストです。
もう一人の主人公・小栗旬演じる阿久津英士は大阪の新聞記者、作者の塩田武士自身の投影だと思います。事件の時効から十数年余りたって、阿久津英士がデスクから洗い直しの命を受け、ギンガ・萬堂事件を再取材。そこで急展開、比較的簡単かつ短時間で解明されるのは、小説・映画のお約束事だと思いますが、まあストーリーの進行上仕方ないですね。
犯人一味は「レディー・ジョーカー」とほぼ同じで暴力団、元警察官、左翼崩れの活動家、株を操作する総会屋などです。現実の新聞・雑誌でもよ取り出たされていました、新しい事実はないです。私も比較的関心があり、それらをよく読んだものです。
現実でも当時の犯人一味はほとんど死亡か海外逃亡でしょうね。
唯一であろう生き残った主犯の一人・曽根俊哉の叔父さんの宇崎竜童演じる曽根達雄はイギリスに滞在している設定になってます。
頭の切れる当時日米安保の学生活動家崩れの左翼活動家を渋く決めてます。
小栗旬と宇崎竜童のイギリスロケもきれいでした。最近の邦画としては力も資金も入ってます。小栗旬は撮影当時ハリウッドの大作映画の「コング対ゴジラ」の撮影も入っていたようで「罪の声」の撮影を途中伸ばしてもらったようです。ちなみに「コング対ゴジラ」も観ましたが、芹沢博士の息子という設定でメカゴジラを操作して白目をむいて死んでいくというあんまりの役柄でした。英語の問題もあり小栗旬もハリウッドでは無理と分かったようで、家族ごと帰国して2022年のNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に主役で出演するそうです。いい役者さんで日本の方が合っていると思います。
小栗旬とともに星野源もいい味出してます、歌手だけでなく役者としても一級品です。また、途中、2人がギンガ・萬堂事件の真相を突き止めるため四国に行ったりロードムービーにもなっています。瀬戸内海などの景色を見ていると日本は美しさを改めて実感します。ハリウッドなどのSFXに頼らなくてもいい映画、美しい映画は撮れます。
紆余曲折ありますが、お約束通り事件は短期間で解明されます。警察が何十年もかけて解明できない難事件が、新聞社の一記者の手にかかればすぐに解決できるのは、なんでかないう突っ込みはしないでおきましょう。
映画「罪の声」有名な実在の事件をモチーフに作った作品
結局、身代金より株の操作である程度の金を手に入れたのですが、そこから犯人一味の仲間割れ、悲劇の始まり大多数の犯人は既に死んでいます。
実際のグリコ・森永事件も警察が血眼になって探しているのですから、当時、はからずしも犯罪に協力した子供以外死んでいるか海外に逃亡しているかどちらかでしょう。子供も生きているかどうかわかりませんが。
現実もこれと同じような感じかなと私自身も思います。
大人のエゴで罪のない幼い子供の未来を奪った切ない物語が「罪の声」なのではないかと思いました。
同じグリコ・森永事件を題材にした「レディー・ジョーカー」も映画やテレビで観ましたが、私は「罪の声」の方がグッときましたね。経済的な背景を与えた物語の展開が面白かったと思います。





コメント